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ロラン・バルト
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フランスの現代思想家で記号学者。(たぶん)

サルトルつながりで読むようになりました。
エクリチュール(文字・書かれたもの)とか、シニフィエ(意味されているもの)とかシーニュ(記号)とか、
とにかく、本の中は言語学用語が絶えないのだけれど、慣れてしまえば、また違ったものが見えてきます。

評論や思想を書いている中でも、バルトの著書は
感覚的なもの、小説を読んでいるかのように思わせるものを、感じることが多いのです。
しかも、彼の五感は狭まることがないのです。
文学や記号学はもちろん、あるときはファッション、
あるときは写真や映画、映像、演劇、文化。
またあるときは異国について。美術について。自分自身について。
自身でも、絵を描くし、ピアノは弾くし。


彼はゲイなんですよね。
『 偶景 』という著書はそれがはっきり分かるのですが、好きな本です。
なぜか、淡々とした典型的な「日本映画」を観てる気分になるのです。

コレージュ・ド・フランスでこの人の講義を聴いてみたかったと思ったりします。



by miyua-moi | 2006-05-30 00:57 | book
ラ・ロシュフコー箴言集
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出会いたくなかった。この人。ロシュフコー
17世紀のフランスのモラリストです。

われわれの美徳は、ほとんどの場合、偽装した悪徳に過ぎない
恋はその作用の大部分から判断すると、友情よりも憎悪に似ている
哲学は過去の不幸と未来の不幸をたやすく克服する。しかし現在の不幸は哲学を克服する
われわれに足りないのは力よりも意志である

われわれが、物事を不可能と思い込むのも、とかく、自分自身に言い訳するためだ

こういった、ひねくれ箴言がずらっと書き綴られています。
なぁんか、印象は悪いです。
でも私は小さい頃から、まさにこういうことを考えてました。まじめに。
腹グロでしたから。今考えると、嫌な子供です。
これは人間の本質なのか、
それともこの作者のひん曲がったものの見方にすぎないのか。
→私は前者だと思う。
なんか、私やっぱり、ひねくれてる。
改めて思いました。
こういう自分、嫌なんだけどな。
だから、出会いたくなかったんです。
言葉がストレートに突き刺さるから。

でも、自分とリンクするところがクセになって、読んでは結構なダメージ食らってます。
by miyua-moi | 2006-03-06 23:00 | book
アントニオーニ
買って放っといたヴェンダースのDVDボックスの中身をふと覗いてみたら、
その中に、思いもよらなかったものが。


「666号室」


これはヴェンダースがカンヌ滞在中に、
映画監督仲間に筆談でインタビューをしたもの。
被写体としてゴダールやスピルバーグ、ヘルツォークとかがいます。
けっこう豪華。
そしてそして、その中にミケランジェロ・アントニオーニが!!!


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興奮してしまいました。
だって、動いて喋るアントニオーニを見るのは初めてなので。
ホントは題の「アントニオーニ」のあとにハートマークをつけたいぐらい。

映っていたのは、1982年時のアントニオーニ。私の誕生年。
映ってた人はもうおじいちゃんでした。
未来を哀れむ一種の年老いた口ぶりがあった。
でも、未来の先を見据えて、新しさを求める斬新さもあった。
実存主義のニュアンスも言葉の中に見つけた。
アントニオーニのとこだけ繰り返し観て、涙がでそうになりました。
ずっと会いたかった人に会えた気分。

ゴダールとユルマズ・ギュネイの話もよかったです。
ものを創りだす人間の話って好きだ。
by miyua-moi | 2006-01-14 23:00 | film
杉本博司「時間の終わり」展 - 森美術館
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の感想を。
さらにダラダラ書きます。


もうね、息をするのも忘れかけた。
そんな展示。


「時間の終わり」


このテーマを今になって、もぐもぐと噛み砕いてる。
まだ消化できていない。
たぶん吸収なんて到底できない。
言葉にならない重みだけ残る。

静かな興奮。

実像・虚像。
過去・現在・未来。
永遠と瞬間。喧噪と静寂。
そこには全部が一度に存在し、入り乱れる。
はかりしれない。
見ているあいだ、自分の存在すら不安になった。
今ここに自分はちゃんといるのか。
虚像ではないか。過去ではないか。

作品にはテーマごとにコンセプトがあり、それがまたずっしりしていて、
見ごたえがあって、噛み砕くのに時間がかかり、かなり消耗した。
この人はよく「自問自答」をするらしい。
はかりしれないものへの問いかけ。
でも、それを「写真」というひとつの形態で完結している。
その写真から、私たちはさらに自問自答する。
思考的で探求的で、それに観念的な写真。人間性。
すっかり心をわしづかみにされた。

あんなガウディの建築写真ははじめて見ました。

ふー。圧倒。

深呼吸。



by miyua-moi | 2005-10-29 23:00 | art/photo